母親には敵わねぇ。
今、母親が東京に来ていて僕の家に泊まっている。
久々に会ったが元気そうで何よりだった。
母は家に来てすぐ掃除をしてくれた。
母より雑巾が似合う人は見たことがない。これは決して貶しているわけではない。(良い意味の雑巾)
来て早々に部屋は綺麗になり床から換気扇まで掃除してくれた。
換気扇を掃除するときに、一回指で外せるネジみたいな物を取らないといけないのでそこは僕がやった。
そのネジは3つあって何とか2つは外せたのだが、もう1つがどうしても外せなかった。
むちゃくちゃに固かった。
1つだけ超合金で出来ているのかと錯覚するくらい固かった。
20歳の男性が顔を真っ赤にしながら体の全勢力を指先に集めて、本気で回したがびくともしなかった。
これは無理だと母に伝えると母は黙って換気扇に向かって歩いてきた。
後日談だがその時の母の周りには赤いオーラが出ていたという。
そして2秒でそのネジを外した。
そんなことがあるのか。いやあってはならない。
驚愕したと同時に悲しくなった。
50歳近い小ぶりで細い母親に握力で負けた、、??
いや僕が精一杯やった結果ネジが緩んでいたんだ。
確か母親掃除をしながら母親はビールを飲んでいた。
もしくはそのビールに何か指先に力を入れると普段の数倍の力が出る成分が含まれていたんだ。
そうだそうに違いない。
自分にそう言い聞かせ夜12時に寝床に入った。
でも何処かで何か引っかかる。モヤモヤする。
自分の衰えなのか母親の進化なのかを考える。
敗北の2文字が頭をよぎる。
そして今に至る。午前2時30分。
明日から筋トレしようかな。
いじょうかいさんしゃいん。